海賊戦隊ゴーカイジャーvs宇宙刑事ギャバン

わたしはギャバン世代の人間ではない。生まれた頃には既にメタルヒーローシリーズすら終わっていた。
例えば、今回のこの映画を、あの頃子供だった世代(30代から40代か)に見せたら、多分、おそらく、相当感動するのではないかと思う。
世代ではないわたしですら、ないはずの記憶に訴えかけられたのだ。

1時間という短い上映時間の中に、懐古要素がふんだんに取り入れられている。
子供向けと言うより、製作陣は間違いなく大人向けを意識して作り上げたんだろうと感じた。
ギンギラギンのコンバットスーツに身を包んで登場するギャバンゴーカイジャー相手に圧倒的な強さを見せる。初っ端からスパイラルキック、ディメンションボンバー、レーザーZビーム、そしてバリヤーとやりたい放題。早速胸のエンジンに火をつけられ、光の速さで明日へダッシュどころか来年あたりまでダッシュできそうな高揚感。
そして大葉健二の生身のアクション!なんということだ、どこまで見せつけりゃ気が済むんだ!と叫びたくなるほどカッコいい。
ゴーカイジャーもひとりひとり見せ場はあるし、次期スーパー戦隊のゴーバスターズも登場するし、懐かしの面々も出たのだが、記憶に残ったのはやはりギャバンのアクションだけだ。ただギャバンブートレグとゴーカイレッドのバトルは熱くならざるを得ない。

テンションがあがり過ぎるので箇条書きにする。
・レーザーブレードのテーマ、新録されたようで。あの曲を聞くととにかく燃え上がる
・そして最早蛍光灯ではなくなったレーザーブレード、CG処理をされているにもかかわらず蛍光灯風
・電送プロセス、ゴーカイチェンジまで見せると言う豪華ぶり
・というかもう歴代大葉健二が一画面に収まるなんて、誰が想像しただろうか
ギャバンバトルフィーバーJデンジマンの同時変身は、ギャバンシャリバンシャイダーの同時変身の完全オマージュ!すごい!
・とにかくスタッフのギャバン愛、リスペクトが伝わりました
・カメラワークもまんまギャバンですね
・レーザーブレードのテーマですら熱いのに、串田アキラの声は火傷レベル
ギャバン・ダイナミック!

ただ不満があるとすれば、電子星獣ドルの動きだけか。フルCGのおかげで、なめらかすぎて逆に違和感。やはりここは模型から作って、もっとゴリゴリと不気味に動いてほしかったものだ。

大葉無双、いや、大葉祭り、それどころか大葉特盛り汁だくの60分。
もう一度見ようかと本気で悩む。