2012-01-01から1年間の記事一覧

黒猫・白猫

エミール作品にすっかりハマった。 アクが強く、とにかく激しくて陽気。あの空気に毎回やられ、観賞後は踊り出したくなる気分にさせられる。それがクセになって仕方が無い。エミール・クストリッツァ、天才肌の映画監督のひとりだと、間違いなく思う。この作…

ハロルドとモード

やっと今年になってDVD化されたという。 今まで名前は聞いた事はあったが、まさかビデオ化すらされていなかったとは。見られないこととカルト的人気は連動している気がする。とにかく。これは映画史上一番年の差があるカップルではなかろうか。ロリータです…

深夜特急〜劇的紀行〜

日本のドラマ、と言うより、ドラマ自体ほとんど見ない。日本のドラマは基本的に非常に安っぽい(ような気がする)し、役者もあまり上手ではない(ような気がする)からだ。深夜特急は元から本を読んでいて、おそらく読んだほとんどの人間が感化されたように…

レニングラード・カウボーイズ・ゴー・アメリカ

カウリスマキの笑いは、ゲラゲラと言うよりニヤニヤ、だ。 オープニングからラストまで、ずっとニヤニヤしてしまう。やめてくれ、とも思う。そう真面目な顔でしらっと面白いことをしでかさないでくれ、ニヤニヤがとまらなくなってしまう!と。「アメリカに行…

東京暮色

いつもの明朗さはどこへやら。しかし人工中絶後帰宅し、子供のカットを見せるところは冷酷で、小津らしいと思った。 この作品ばかりは、周吉(笠智衆)の孤独より、明子(有馬稲子)の不幸さに目がいってしまう。そのくらい不幸なのだ。一度も笑顔を見せず、…

8 1/2

台詞の洪水。あまりにも台詞が多く、英字幕で見たためついていけてないので半分以上理解していないかも。しかし、ラストは鳥肌が立った。混沌からの解放、大団円にふさわしいフィナーレ、そして有無を言わさぬ幕切れ。夢と現実の交差、同化。映画的には破綻…

細雪

とにかく美しく、綺麗。船場言葉と呼ばれる上流大阪弁、そして四人の名女優たち。幕間もわかりやすく全体的な構成も明快。回想シーンはモノクロから始まりカラーに変わるので、通してみていて迷うことはない。ロケーションも素晴らしく、印象に残るカットが…

永遠と一日

ブルーノ・ガンツが出ている『ベルリン・天使の詩』がとても好きだった。 あれを見たとき、とても前向きな気持ちになり、涙が出た。『永遠と一日』。現在と記憶、歴史を旅する、これもロードムービーだろう。 病気を患う詩人・アレクサンドルと難民の少年。…

ディスコミュニケーション

ふといきなり懐かしくなり、古本屋に行って植芝理一氏のディスコミュニケーションを買い集め始めた。彼の漫画を始めて読んだのは小学校6年の頃で、まんが教室というものに通っていたときだった。同じクラスの女の子から『夢使い』を借りた。 初見時の衝撃は…

陋巷に在り

やっと読み切った。気付けば2カ月ほどかかってしまった。 いや、しかし、全13巻、思ったより長かったぞ。 孔子についてもほぼ知らず、魯の歴史もわからず、ましてや中国神話やオカルティックな話に興味は無かったのだが、ここまで読めたのはやはり酒見氏の文…

雨月物語

テーマはとても質素なものだと思った。 身の丈に合った生活を。決して欲張らず、誠実に、真面目に。 ただ、映像がとにかく美しいのだ。若狭(京マチ子)の纏う雰囲気はとても冷え冷えとしていて、なんだか地獄にいるみたいだ(吐く息も白い)。こういう雰囲…

フェリーニの『道』を見たとき、安易にもトリアーの『奇跡の海』を思い出してしまった。神に仕える者は常に純粋な者でなければならない。 別に対比したいわけではないが、どちらも無垢な愛を具現化したように感じる。ザンパノがジェルソミーナを置き去りにす…

映画は映画だ

久しぶりに韓国映画を見たなあ、と思ったが、果たして私はいままでまともに韓国映画を見たことがあっただろうか? そんなことはどうでもいいのだが。映画は映画だ、なんていうタイトルなので、もっとメタフィクショナル的かと思いきや(いや十分メタってます…

アンダーグラウンド

地元の小さな映画館でリバイバル上映をしていたので、折角だし、と思い、見に行った。 150人程のシアターに、10人もいなかった。オープニングの音楽から、ずっと引き込まれてしまった。久しぶりに力強い作品を見た気がする。とにかくすごい。やはり頭に残る…

兄とその妹

これが、戦前か?と言うのが第一印象。 桑野通子が着るコート、朝食にトースト、ピクニックに行ってコーヒーを飲む。それから銀座で買ったというアイスクリームなんかも。 富士山を手に乗せるシーンなんか、とてもオシャレだ。 そう、すごくオシャレな映画だ…

海賊戦隊ゴーカイジャーvs宇宙刑事ギャバン

わたしはギャバン世代の人間ではない。生まれた頃には既にメタルヒーローシリーズすら終わっていた。 例えば、今回のこの映画を、あの頃子供だった世代(30代から40代か)に見せたら、多分、おそらく、相当感動するのではないかと思う。 世代ではないわたし…

小林賢太郎公演 うるう

ラーメンズのコントにハマり早2年、その後もポツネン、KKTVと順調にファンへと続く道に乗ってきた私だが、先日、やっと生で小林賢太郎氏の舞台を見る機会ができた。 今更だが、今回の『うるう』という演目、あれはKKPというプロジェクトの一部なのですね。て…

ダーティーハリー

銃口のカットがかっこいい。そしてアンチヒロイズムな主人公にどうしても惹かれてしまうのだ。ラストのハリーがバッヂを投げるというロングショット、あの終わり方もアメリカン・ニューシネマ的で素晴らしい。70年代特有のアメリカ情勢の不安定さと法律・社…

東京物語の精神はそのままに

先日21日、山田洋次が演出を手掛けた劇団新派の『東京物語』を三越劇場にて鑑賞。 舞台設定は足立区から葛飾区金町へ、尾道のシーンも熱海のシーンもなく、ずっと長男の家で繰り広げられる。全体の流れや台詞は大体同じだが、紀子が石巻出身になっていたり、…

(ハル)

いま見ると、ダイヤルアップの音やチャット画面が懐かしく感じてしまう。 わかりやすく、簡潔的で良かった。 ホシもハルも、お互いのメールを通じて前に進もうとする。 シンプルだけど好感のもてる作品だった。やはり印象に残るのは新幹線越しの出会いか。作…