2011-01-01から1年間の記事一覧

ベルリン 天使の詩

寓話的な詩と、美しい映像、優しい音楽。とても哲学的でロマンチックな作品だった。 白黒時の陰影の具合が何とも素敵だ。はっきりしていて、非常に美しい。 人間になりたい天使と、天使の宿命を全うすべきだという天使と、人間になる事を誘う元・天使。それ…

最近見た映画

・のだめカンタービレ 最終楽章 前編&後編 原作を読まなかったら消化不良な部分がいくらかあるかもしれない。しかし音楽は素晴らしいし、音楽を聞くために映画を見たわけだし。原作で言っていた、のだめの飛んだり跳ねたりするピアノの音はつまりこういうこ…

陋巷に在り儒の巻

『泣き虫弱虫諸葛孔明』、『墨攻』、そして『ピュタゴラスの旅』を今のところ読み終えたので、酒見賢一氏がどういう作家なのかということは、理解したはずだった。 史実をもとに、彼自身による大胆不敵とも言える解釈を加えて小説を書きあげる、そういう作家…

晩春

小津安二郎の、初めて父と嫁入り前の娘をテーマにした映画。 今まで見て来た彼の作品はまだ3作しかないが(東京物語、秋刀魚の味、彼岸花)、一番悲しいストーリーで、一番悲しい終わり方だったように感じた。どこかで父・周吉と娘・紀子の間に性的コンプレ…

蘇える金狼

言わずと知れた日本映画史上に残るハードボイルド映画の名作。 を、今更見た。 あまりハードボイルドな映画を見て来なかったので、松田優作も『家族ゲーム』に出ていた記憶しかなかったのだが。「ジュブレ・シャンベルタン。2001年ものだ。ぼくの友人のナポ…

告白

ちょっと演出がくどい。 そのせいで長いコマーシャルのように感じた。 章毎分けているので、わかり難いと言う事は無い。メインテーマと重なって、好き嫌いが激しく別れる映画ではないか・・・と思う。 例えばこの映画を見ることによって青少年犯罪が増える!…

グーグーだって猫である

全体的な印象は、可もなく不可もなく、というところ。 最初から最後までファンタジー的、マンガ的な印象を残すが、特筆すべき余韻と言うものがない。 突拍子もない演出を入れるのもどうかと思う。日本映画的王道プロット(日常→事件→絶望→再生の流れ)はもう…

泣き虫弱虫諸葛孔明

酒見賢一著、抱腹絶倒ナシには読むことなんてできない、彼の中の諸葛孔明とは宇宙レベルの男になってしまった。実は、今まで私は三国志に関して特に興味は持っていなかった。 漢文も好きな教科ではなかったし、中国史自体知りたいと思ったこともなかった。 …

秋刀魚の味

彼岸花と秋刀魚の味、どちらも小津安二郎の同テーマに基づく作品だが、このふたつのうちどちらのほうが評価が高いのだろう、と考える。個人的には秋刀魚の味の方が好きだ。 わかりやすくもあるし、何よりカット毎ドキッとさせられるようなシーンが多い。 (…