2012-02-01から1ヶ月間の記事一覧

雨月物語

テーマはとても質素なものだと思った。 身の丈に合った生活を。決して欲張らず、誠実に、真面目に。 ただ、映像がとにかく美しいのだ。若狭(京マチ子)の纏う雰囲気はとても冷え冷えとしていて、なんだか地獄にいるみたいだ(吐く息も白い)。こういう雰囲…

フェリーニの『道』を見たとき、安易にもトリアーの『奇跡の海』を思い出してしまった。神に仕える者は常に純粋な者でなければならない。 別に対比したいわけではないが、どちらも無垢な愛を具現化したように感じる。ザンパノがジェルソミーナを置き去りにす…

映画は映画だ

久しぶりに韓国映画を見たなあ、と思ったが、果たして私はいままでまともに韓国映画を見たことがあっただろうか? そんなことはどうでもいいのだが。映画は映画だ、なんていうタイトルなので、もっとメタフィクショナル的かと思いきや(いや十分メタってます…

アンダーグラウンド

地元の小さな映画館でリバイバル上映をしていたので、折角だし、と思い、見に行った。 150人程のシアターに、10人もいなかった。オープニングの音楽から、ずっと引き込まれてしまった。久しぶりに力強い作品を見た気がする。とにかくすごい。やはり頭に残る…

兄とその妹

これが、戦前か?と言うのが第一印象。 桑野通子が着るコート、朝食にトースト、ピクニックに行ってコーヒーを飲む。それから銀座で買ったというアイスクリームなんかも。 富士山を手に乗せるシーンなんか、とてもオシャレだ。 そう、すごくオシャレな映画だ…

海賊戦隊ゴーカイジャーvs宇宙刑事ギャバン

わたしはギャバン世代の人間ではない。生まれた頃には既にメタルヒーローシリーズすら終わっていた。 例えば、今回のこの映画を、あの頃子供だった世代(30代から40代か)に見せたら、多分、おそらく、相当感動するのではないかと思う。 世代ではないわたし…

小林賢太郎公演 うるう

ラーメンズのコントにハマり早2年、その後もポツネン、KKTVと順調にファンへと続く道に乗ってきた私だが、先日、やっと生で小林賢太郎氏の舞台を見る機会ができた。 今更だが、今回の『うるう』という演目、あれはKKPというプロジェクトの一部なのですね。て…

ダーティーハリー

銃口のカットがかっこいい。そしてアンチヒロイズムな主人公にどうしても惹かれてしまうのだ。ラストのハリーがバッヂを投げるというロングショット、あの終わり方もアメリカン・ニューシネマ的で素晴らしい。70年代特有のアメリカ情勢の不安定さと法律・社…

東京物語の精神はそのままに

先日21日、山田洋次が演出を手掛けた劇団新派の『東京物語』を三越劇場にて鑑賞。 舞台設定は足立区から葛飾区金町へ、尾道のシーンも熱海のシーンもなく、ずっと長男の家で繰り広げられる。全体の流れや台詞は大体同じだが、紀子が石巻出身になっていたり、…