映画って!

映画を学問として勉強し始めて、さらに映画が好きになった。
映画が作り上げる擬似リアリティの世界はつまりイリュージョンなのだが、しかしリアリティの一部だという事実。
そしてそのリアリティは可能な限りのテクノロジー、工夫によって構成されているということ。
画面と言う平らなイメージの中には、自分の世界以上の知性が存在しているということ。

とにかく、本当に凄い。映画っていうのは、本当に凄い。
メディアの一部でも、表象文化の一部でもなく、『映画』というのは独立した学問として在るべきで、そしてその学問としての映画を幹にそこから他のディシプリンと繋げるべきなのではないかと思う(と言うか、そうなれば良いのに)。
純粋な『映画学』。
だけど、映画を作る人間と映画を見る人間が違う限り(当たり前のことだが)、観客の知覚を無下にすることは出来ないし、知覚を重視すると今度は作品自体の本意を失ってしまうような気もするし、作品を重視するとその制作者の人間性や様式、生き様、作られた時代背景を失ってしまう気もするし、でもそれらを重視すると…。相変わらず、「どこ」を重視してみていけばいいのかはわからない。どこから見てもきっと正しく学問として成立すると思うけれど、それはどうしても自分の理想とする『純粋な映画学』というものではないような気がするのだ。

そもそも、映画理論って一定の時代を過ぎた後、発展していないんじゃないのか?
と言っても、映画理論に関してはまだまだ勉強を始めたばかりなので、はっきりと強いことは言わないほうが良いとはわかっているのだが…。

これから映画史のクラスと映画理論のクラスを取るのが楽しみでならない。
色々学ぶ中で、自分の納得出来るような『映画学』を見つけられることを願う。

映画は大好きだけれど、でもやはり製作をしようと言う気にはなれないのは、映画監督に必要なものはなによりも知性だということだけはきちんと認識しているからかもしれない。