ディスコミュニケーション

ふといきなり懐かしくなり、古本屋に行って植芝理一氏のディスコミュニケーションを買い集め始めた。

彼の漫画を始めて読んだのは小学校6年の頃で、まんが教室というものに通っていたときだった。同じクラスの女の子から『夢使い』を借りた。
初見時の衝撃はなかなか忘れられない。グロテスクで、なんだかわからない背徳感を覚えた。小学生だったわたしにはあまりにも強烈過ぎたことをよく記憶している。

ディスコミュニケーションは大きく分けて5編で構成されているが(初期エピソード群、冥界編、学園編、内宇宙編、精霊編)、一番燃え上がるのは冥界編だ。植芝氏の独特な世界観が前面に押し出されられている。逆に学園編は随分と味気ないような印象を受けてしまう(その前に冥界編という内容の濃い話が続いたので仕方ないと言える)。そして変態編ともフェチ編とも呼べそうな内宇宙編がある。精霊編はまだ手に入れていない。
全編を通してヒロインである戸川の「どうして松笛くんを好きになったんだろう?」という疑問がテーマになるこの作品だが、密教的なシンボルと懐かしの特撮とYMOネタが画面の細部までギッシリ描き尽くされ、全体的に摩訶不思議な雰囲気となっている。好き嫌いはあるだろうしなかなか他人に勧めづらい漫画だが、やみつきになるひとはきっとものすごくハマってしまうんだろう、と思う。実際わたしがそうだったので。

植芝氏繋がりで現在連載中の『謎の彼女X』も読んでみたが、17歳前後の女の子の体のラインの具合が明らかにレベルアップしている…そんな気がしました。



ディスコミュニケーション(1) (アフタヌーンKC)

ディスコミュニケーション(1) (アフタヌーンKC)