NO

映画館で見てきました。NOの上映最終日最終回に行ったのだけど、老夫婦でいっぱいだった。

1988年ピノチェト政権続投の国民投票が行われ、反対陣営はどうプロモーションしていくか?と言う内容。プロモーションのキーは、テレビ放映だ。ガエル・ガルシア・ベルナル演じるレネの職業は若きCMプロデューサー。暴政の中、”ハピネス”を前面に出した広告を作り上げ、見事ピノチェト失脚に至らせる。

その過程が、ソニーのUマチックというビデオテープで撮られている。英語版wikipediaによると、このUマチックは80年代のチリで実際に使われていたテープらしい。

さらにそのwikipediaによると、監督パブロ・ラライン曰く、「これは何かを証明するものではなく、自分たちがただ見たもの」らしい。当時の圧政具合や情勢は伝わるが、確かにウエイトはあくまで「反対陣営によるプロモーション」に置かれている。しかもそのプロモーションがなんだかものすごく「ハッピー」。歌って踊って、アメリカ文化を映し出す。

不思議な映画だったな。
ラストのレネがスケートボードに乗りながら街を進むシーンが、キアロスタミのクローズ・アップを彷彿させた。