2013-01-01から1年間の記事一覧

Even the Rain (2000)

Iciar Bollainと言うスペイン人女性映画監督がボリビアで撮った作品。 多国籍企業間と地元民との水争奪問題、スペインからの撮影隊と地元民、コロンブスの侵略と先住民たち、と、3つのストーリーラインがはっきりと並列しているお陰で、非常に解りやすい内容…

オブローモフの生涯より

いやあ、良かったです。個人的にこういう映画大好きです。 人生にWHYを求めるオブローモフと、HOWを求めるシュトルツ二人の友情。映像も美術も素晴らしいです。建物なんか最高ですね。ゴージャスの極み。 背景には、田舎出身貴族のデカダンス。オブローモフ…

マジッド・マジディ作品2本

柳の木のように (2005)盲目の男が視力を回復したことによって欲深い一面を見せ、自分を支えて来た人間を失ってしまうと言う物語。視力を得たことにより、「自我の自覚」をするようになる。行動もまるで子供のようだ。自分の生きたいようにさせてくれ!と、母…

東京画

縁側に座る笠智衆の姿、撮影当時を懐かしむ厚田雄春氏のインタビューを見ていたら、思わずホロリと来てしまった。 今更のことだが、自分は小津ファンなんだなあ、と再確認。 そしてまたヴェンダースもそうなのだろう。 - - -『東京物語』のオープニングと共…

秋日和

今更見た。 これは「晩春」の母娘版なんですね。何より原節子と司葉子と岡田茉莉子と佐田啓二と佐分利信と北竜二と中村伸郎と沢村貞子と桑野みゆきと三宅邦子と三上真一郎と笠智衆と岩下志麻と菅原通済が一つの作品にいて、圧倒と言うか圧巻と言うか。佐分利…

NO

映画館で見てきました。NOの上映最終日最終回に行ったのだけど、老夫婦でいっぱいだった。1988年ピノチェト政権続投の国民投票が行われ、反対陣営はどうプロモーションしていくか?と言う内容。プロモーションのキーは、テレビ放映だ。ガエル・ガルシア・ベ…

悲しみのミルク

ペルーから来た友人に勧められるがままに。 ゆっくり悲しみが流れ、そしてトンネルを越えついた場所は大きな海。主人公ファウスタとその母、それから庭師ノエとの会話はケチュア語で、従姉妹や叔父、リマ内での会話はスペイン語。先住民と入居者(と言えば良…

第九地区

英語の授業で第九地区を見た。 あらゆることに対しての皮肉と娯楽性を兼ね揃え、政治性メッセージは仄めかす程度に抑え、SF・アクション・ミリオタ・B級好き等様々なファン層の心を掴んでしまった、とにかく良く出来た映画だった。 テストに出るので、覚え書…

映画とは何か

ブレインストーミングのお時間です。よく、映画って一体なんだろう、と考える。 どうして映画を見るのだろうか、どうして映画が好きなんだろうか、どうしてオスカーを取ったあの作品は私には受け入れられなかったんだろうか、という自分視点の疑問と、映画を…

アリゾナ・ドリーム

外国人映画監督がアメリカで撮った映画、と言うのはすごく好きだ。『パリ、テキサス』から、『バグダッド・カフェ』、『ギルバート・グレイプ』とか。アメリカ人が撮るアメリカ映画よりもアメリカらしさ(外国人が想像するアメリカ)を感じる。広大な土地、…

ドリー・ベルを覚えてる?

そういえば今年の映画始めはクストリッツァだったな、と、今更記事を書く。 相変わらず(というのも変だな。長編処女作だし)、うまいなあ、ううむと唸る。思春期の少年の心の移り変わりと、当時のボスニアの社会状況をほんとうにうまく並べて撮っている。こ…

フェリーニのアマルコルド

フェリーニは、個人的にはほんとうに大好きなのだが、これこれこう説明しろと言われると全く何も言えない。 少年の日の記憶。2時間、ぼーっと見てしまった。 冬が終わる祭りの綿を掴むシーン、そして最後の大団円。とりあえず今は何も考えず、映像の美しさだ…

愛の亡霊

コリーダ並みのエロスを想像していたので少し拍子抜けしてしまった。典型的な日本的怪談のエフェクト、濡れ場はあるが本編に影響する程ではなく、社会的要素もそこまでは感じない。コリーダが76年で、こちらが78年。随分と趣が変わったなあ、と言う印象。ず…

グッバイ!レーニン

自分が初めて「映画」というものを意識するようになった作品はどれかと聞かれたら、グッバイ!レーニンだろう。 中学二年の頃、母と地元のインディペンデント系映画館へ行き、この映画を見た。シネコン以外の映画館へ行くことが初めてで、ドギマギ緊張してい…